谷中の家

四月五日(土)台東区谷中で、上映会があります。ぜひご来場を。(詳しくはイベント欄をご覧ください)

yanaka

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三年前のちょうど桜の頃に、双葉町から埼玉に避難した人たちと出会いました。
首都圏にする私も、避難しなくていいのかと真剣に考えていたあの頃。
日本全体が、チェルノブイリになってしまったんだ・・・そう思うのも束の間、
この国は事故の責任から逃れ、平穏無事を装っていて。
フタバとの出会いは私にとって、この先を生きていく覚悟を決めさせてくれるも
のでした。

目に見えない放射能ですから、何事もなかったようにふるまうのは
簡単なことかもしれません。
三年が過ぎて事故は風化し、政府の隠ぺいは進み、
世間も忘れていく。
「こんなんでいいのか」と思い続けることができるのは
双葉町の存在があってのことだと思います。

「原発反対」と言うことは、福島原発が爆発してもなお言いづらい。
それでも、双葉の人たちが自分自身の考え、思いを語ってくれたこと、
語らざるをえなかったことは、「賛成」「反対」を超えていて、
それがとても、生き生きとしており、
被災者どおしが共感したり、翻弄されたりすることに
私自身が揺れ動く日々を過ごしました。
「避難民・双葉町」の外側にいたからこそ、私は双葉町を撮ることができたのでしょう。

給食調理員として小学校に勤務する私は
学校が「もの言えぬ場所」になっていることを、肌で感じることがあります。
「考える教師」にとっては本当に息苦しい、追い詰められる現場になっている
と思います。
現場の中の当事者がモノを言うのはとても勇気のいることですが、
双葉町を追いかけたこの三年間、私自身はたくさんの希望を与えられてきたのです。

事故から四年を迎えた今、本当にひどいことが起こるのはこれからで、その萌芽
はすでにあらわれています。
自分の感性に誠実であり続けること。
これが、勇気ある「避難民」たちに応えることだと思っています。

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