復興の裏側~農業再開のカラクリ

 双葉町三宮地区に田んぼを持つAさんが言った。この田んぼが畑になる計画があるのだと。
農業法人に土地を貸すことになったので、地主や関係者を集めた説明会に参加したのだが、まったく最悪だったという。


土地の賃料は一反5千円(一年)という安さ。しかも水の使用料4千円は地主負担だそうなので、実質千円にしかならない。
問題はそれだけではない。「放射能が高いかもしれない土地なんて貸したくない。でも、断れば罰金とられるってナ」
なんと、放置料として年間30万円取られるという。抵抗すればさらに裁判費用がかかると。そんなバカな話があるかとAさんは憤る。

そもそも水田だったところが何故畑か。
双葉町の田んぼの水源は大柿ダムだが、ここが放射能で汚染されているのは地元では有名な話だ。大量の水をひかなければならず、双葉町では今のところ、水耕は無理だと考えている。
田んぼより畑の方が水の汚染の影響は少ないかもしれないが、それでも「双葉の野菜など誰も買わないだろう」と土地の所有者たちはいう。もちろん「双葉産」と言って売るわけではないから、消費者にはわからないというのだが。

太陽光パネルの事業も進み、遊ばせておくよりはいいだろうと土地を貸し出す人もいるが、太陽光パネルの寿命は10年。契約書の隅に「後始末は自分で」と小さな字で書いてあるのを見落としてはならないとAさんはいう。

Aさんは腕利きの宮大工だ。自分で建てた双葉の家は、基礎だけ残して津波で流された。その後は仮設住宅の建設や修繕の仕事に駆けまわってきた。数年前に埼玉県に自力で家を建て、双葉町より広い面積の田んぼを耕している。そんな彼が言うのだから、カネが欲しくて不平不満を言っているわけではない。ただ、どうしてこんなふうに次から次へと、被害者を弄ぶようなことが上から決まっていくのか。その悔しさが伝わってくる。

先祖代々の大事な土地が放射能で汚され、故郷を追われた。それ以上の不幸があるだろうか。その被害者たちを「賠償金もらった人たち」という印象操作で黙らせて、あとはやりたい放題だ。
あまりにも杜撰な原発事故の後始末。
うやむやにさせてはならない。

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復興の裏側~農業再開のカラクリ への2件のフィードバック

  1. キタヅメマユミ のコメント:

    守銭奴と金の亡者が政治家の皮を被って居座っている。
    「原子力ムラ」は最たるもの。

    • ペコちゃん のコメント:

      私は双葉町の人によって、具体的な額面などを今回初めて知りましたが、他の町(福島原発周辺の自治体)ではとっくにやられてきたようです。お金のことは声に出しにくいか、諦めてしまっているのかわかりませんが、もっと公にする必要があると思っています。

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