若者たちを襲う健康被害

4月20日放送のレイバーネットТV ゲストの白石草さん(中央)鈴木邦弘さん(右)と筆者(左)

 4月20日のレイバーネットTVは、「11年目のフクシマ〜若者を襲った健康被害」と題して、福島特集を放送しました。
大量に放出された放射能が、人や動植物にどんな影響を及ぼしたのか。マスコミはこのことについて報じることは、ほとんどありません。
しかし、本当に被害はないのでしょうか。

 2011年3月に、当時の双葉町長・井戸川克隆さんは、放射能の被爆から町民を守ろうと、埼玉県加須市の旧騎西高校に避難所を設けました。私はそのような選択をした双葉町に注目し続けてきました。井戸川さんは「放射能の影響で病気になっても『じゃあ何で逃げなかったの』と言われるだけだ。あとからでは遅い」と話してくださいました。放射能の影響は枝野官房長官が言ったように、直ちに出るものではありません。セシウムの半減期は30年。影響が出る頃には、事故当時の責任者たちはこの世にいないかもしれません。

 事故直後から、福島県内では健康を不安視する声がたくさんありました。放射能は目に見えないので、線量計だけが頼りです。避難指示出されていなくても、春休み中だったので一時的に避難する親子もいました。けれど4月に入ってすぐに、学校が再開されることになり、戻ってくる人たちが増えました。当時福島県内のおよそ半分の学校は、放射線管理区域以上の放射線量があったにもかかわらず。

 不安の中で生活し続けるのは大変なことです。長崎大学の山下俊一氏が「ニコニコ笑っている人に放射能はきません」と講演して回り、安心したというお母さんは多かったようです。一方で「大量の鼻血が出た」という話を取り上げたマンガ『美味しんぼ』がバッシングされ、連載中止になりました。大量の鼻血、若者の突然死、異常出産など、実際に私も話に聞くことはありましたが、「そういうことは言うもんじゃない」「福島に住んでいる人たちのことを考えろ」という空気に覆われていて、健康問題はタブーの話になりました。

 町民を福島県外に避難させたことで、井戸川さんは町長を辞任せざるを得なくなりました。福島は安全・安心だと吹聴する国や県にとって、「目の上のたんこぶ」だったからです。井戸川さんは「もっともっと県民を避難させなければならなかったはずだ」と言います。けれど、いろいろな思いや事情によって、福島から離れられない百数万人の人達がいるのをいいことに、「福島は安心して住める場所」にされてしまったと私は思います。

 福島県では県民健康調査が行われ、18歳未満の子どもを対象に甲状腺がんの検査が二年ごとに行われています。100万人に一人か二人と言われていた小児甲状腺がんが、事故後、数十倍に増えたことを、国は認めながらも「放射能との因果関係は認められない」としています。

 この一月、小児甲状腺がんになったうちの六人が、東京電力に損害賠償を求める裁判を東京地裁に提訴しました。この裁判の意味するものが何なのか、ぜひ知ってほしいと思い、OurPlanet-TV代表の白石草さんをゲストに、番組を企画しました。原告になった患者のひとり、「ゆうたさん」もオンラインで登場しています。
 
 また、自分の足で歩き、福島の「復興」の姿を絵で表現している絵本作家、鈴木邦弘さんの話もあります。放送アーカイブをご覧いただければ嬉しいです。
アーカイブ動画(特集部分)

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