11年目 今年もよろしくお願いします

 あけましておめでとうございます。

 昨年の3・11は原発事故から10年ということでメディアの報道合戦となり、復興事業が目白押しでした。何といっても「五輪」に合わせて、福島が復興したかのような仮象がつくられていくことを、私は多くの住民とともに複雑な思いで見てきました。
 
 7月末に『原発の町を追われて・十年』を制作し、コロナ禍でありながら10数回上映してもらうことが出来ました。
 観てくれた方々の感想で多かったのは、双葉駅での聖火リレーの場面に驚いたというものでした。現場には当然ながら、たくさんのカメラクルーが来ていました。しかし「五輪や復興はおかしい」と叫ぶ人の声を、マスコミが報じることはほとんどありません。五輪から五カ月たち、8割の国民が反対したことさえ、消されていくのでしょうか。

 福島原発の問題は今も山積しているし、そのこと自体は伝えられていると思います。でも、健康被害のこと、食べ物の汚染のこと、賠償のあり方、そして住民の頭越しに進む復興に対して「これでいいのか」と闘っている人たちのことはなかなか伝わってきません。福島の人たちはおとなしいわけではないし、黙り込まされているわけでもありません。伝わっていない、知られていないだけなのだと思います。

12月26日「自主上映見本市」で。


 昨年末、久しぶりに2012年に制作した『原発の町を追われて』が上映されました。そこには、当時まだ小学生だった双葉町の子どもも出てきます。影像の中では無邪気だった子が、その後避難生活の中でどんな経験を強いられたのか。
 10年たって成人式を迎えたり大学生になった彼らが語り始めています。「原発を作り、原発で儲けたのは大人たち。原発の本当の被害を受け継ぐのは僕たち」「放射能の影響は、自分の寿命の何倍かけても消えるものではない」と発言したのは、事故当時8歳だった少年でした。

 「忘れてはいけない」という前に、「知らなくてはいけない」ことが沢山ある。10年で終わらせようなんてとんでもない。まだ始まりにすぎないことを肝に命じて、今年も上映会を続けていきたいと思います。

11月末に早稲田大学で開かれた、若者たちのシンポジウム

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