あけましておめでとうございます。
東日本大震災から9回目のお正月です。徐々に年賀状に「おめでとう」と書く人も増えてきたように思います。
今年はいよいよ「復興五輪」。それに向けて常磐線も完全開通し、すべての町が避難指示解除となります。五輪と共に、福島原発事故からの復興は成し遂げられたかのように。
毎年この時期になると「帰れる場所」が増えていきます。今年の3月には双葉町の一部(双葉駅周辺)が解除になり、これですべての自治体の「全町避難」が解かれることになるのです。
あれほど「帰りたい」と言っていた人たちが、一時帰宅するたびに「もう住めないね」と諦め、違う土地に根を張ることを決める。諦め、そして踏み出す。その繰り返しだった8年余。双葉郡の復興は、そうした人々の歳月に報いるものになっているのでしょうか。
昨年『盆歌』という映画をみました。心は双葉に置いたまま、別の場所で暮らす人々。埼玉でも双葉の盆踊りが毎年行われていたけれど、ご先祖様も一緒に踊っていたのです。
その盆踊りと、双葉町の今の風景を重ねて、三分映像を作りました。
「帰れる場所」それは、もとには戻らない場所なのです。