東京電力福島第一原発が緊急停止し、避難指示が出された日から4年と5ヶ月の8月11日、九州電力川内原発が再稼働した。
そして今日10月26日、四国電力・伊方原発の再稼働に愛媛県知事が同意。「重い責任を伴う」と言うが、事故が起きたら責任をとることなんて絶対にできない。福島が証明しているではないか。
もう2年以上の間、日本は原発ゼロでやれてきた。この期に及んでなぜ原発が必要だというのだろう。エネルギー不足なんて言い訳にはならない。
「将来の安全より、明日の生活」
地元の人たちの中にはそう言って再稼働を望む声もあるという。でも福島の人はみんな知っている。国に嘘をつかれていたことを。
「安全だって言ったじゃないか」
この言葉はフクシマだけでたくさんだ。もう2度とこんなことは聴きたくないし、言わせたくない。
福島からほど遠い島根県。山陰地方は私の住む関東地方からは行きにくい場所だが、この1年半の間に3回も訪ねることができた。これは「再稼働なんかさせない。ふるさとを守りたい」という、島根原発に反対する人たちの強い思いのおかげだ。
そして先月、鳥取県境港市で『原発の町を追われて』の上映会が開かれた。島根原発が事故を起こしたら再稼働したら被害をうけるのは、風下にある鳥取県なのだ。地元で活動する「グリーンコープとっとり」の皆さんが準備してくださり、豊かな海の町・境港の会場に120名の人たちが集まった。
原発のない埼玉や東京とは違う。原発の立地する町の人たちにとって、原発に反対することがどれほど難しいか、私にだってわかっているつもりだ。
でも今は福島がある。
福島県双葉郡双葉町がどうなっているのか、原発立地の町の人たちにこそ知ってほしい。
その思いだけでしゃべった。
相変わらずトークはちっとも上手くならなくて、ほとほといやになるけれど、
主催者の方が来場者の方々の感想を送って下さった。読んでちょっとホッとしている。
「こんなに集中してみた上映会はなかった。今まで3・11の現状をテレビなどでみてきた。しかし今日の生の声や姿をみて、今まで何をみていたのか? もう一度考えてみたい」
「何が悲しいって双葉町民の心がバラバラになり、国や東電の思うつぼになっていることだ」
「島根原発から15キロのところに住んでおり、大変不安に思っている。原発のあるところで、このような上映会をしてほしい」「今回は映画をみる側としていますが、いつ向こうのスクリーン側になってもおかしくないと、身につまされました」