避難計画は現実的か

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 原発を抱えた全国の町で、重大事故が起こった場合の避難計画が作られています。
秋にも再稼働の動きがある川内原発では「事故直後、果たして本当に避難できるのか」という不安の声が高まっているようです。(7月8日『東京新聞』)
  先日、島根原発のある松江市を訪ねた時、「放射能がどれくらいの速度で広がるのか」を確かめるために、風船を飛ばしたそうです。わずか2時間半で250キロ離れたところで風船が発見されたとのこと。
 原発の地元に暮らす人たちからのメールを紹介します。

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〇二年前まで松江市内の校長先生だったという男性から
 
松江市は街の真ん中に、街を南北に分断する大橋川が流れています。
この川の北側が、原発からの距離が、およそ15kmです。
この範囲内にある学校は、小学校、中学校、高校、特別支援学校すべて、
毎年11月の原子力防災訓練の日、原発で重大な事故が起こったという想定で、
学校毎に防災訓練をします。
訓練といっても、教室を締め切って、数分間、じっとしているだけですが・・・。
高校を卒業して、県外に進学した生徒が、そのことを話題にすると、決まって笑われるそうです。
でも、他に何ができるのでしょうか?
大橋川の北に住む住民が避難するためには、大型バスが2000台必要だそうです。
それが可能かどうか、誰にでも分かることです。
この範囲内の学校は、ヨウ素剤を保管しています。
毎年、入学時に、服用させていいかどうかの意志を、保護者に尋ねます。
副作用があると言われているからです。
2011・3・11以後、
ヨウ素剤とは如何なるものか、一粒なめて見ました。
生徒に飲ませることになるかもしれないものを、校長は試しておくべきと思ったからです。
極めて苦い薬剤でした。
これが、2011年度の、
原発と運命を共同している松江市の学校の実態です。

〇「島根原発三号機の運転をやめさせる訴訟の会」から

今回の松江における本上映会を通して、私が一番に思ったことは「本映画は
一ドキュメンタリー映画ではなく福島第一原発事故により双葉町が採った避
難行動を証明するための非常に重要な記録資料である」ということです。

事故後、今現在も双葉町の避難行動に対する非難の声が多方面より井戸
川前町長に向けられていますが、今後近いうちに被曝による健康被害が明ら
かになり、疫学的調査を進めて行けば多くの被害者が明らかになるのは明白
である。しかし国及び福島県等が現在のような対応であり続ける限りなかなか
進展しない可能性は高い。
被曝による健康被害者が多発し国及び福島県が対応に苦慮する状態になっ
て初めて双葉町のような早期・遠方避難のリスク回避が必要であると認識す
るでしょう。その時初めて「双葉町の避難行動は正しかった」と認めざるを得な
くなる。

双葉町の避難行動が正しく評価されるまでは、本映画の上
映会を継続することが非常に重要である。それは井戸川前町長の思いに対
して答えることではないかと思います。
また、継続することにより多くの被曝された人々の精神的支えとなり、多くの
国民に対しては原発事故が如何に人々に計り知れない多大な影響を与え
ることを認識してもらうために必要であると考えます。

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避難計画は現実的か への1件のフィードバック

  1. 京馬伸子 のコメント:

    堀切監督と、「ナオトひとりっきり」の映画をみた会場でお会いできて、たのしかったです。疲れたけど、映画見に行ってよかった!!私も311のあと、友人に言われて、ヨウ素剤買いました。アマゾンで、そんなに高い価格でなくて、買えます。この頃は、ペクチン剤も買えます。体から放射能を排出してくれるという薬です。311のあと、全く買えなかったんですよ。

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