新しい年になりました。
3・11から四度目のお正月。この年末年始、何人もの双葉町の方が電話をくれました。
このメールの時代に直接声を聞くなんて、なかなかないよなァと嬉しい気持ちになります。
福島県内にいる人も、県外で生活する人も誰一人ふるさと双葉町で暮らすことは叶わないけれど、前を向いていくよと言いたいのでしょう。
避難所だった騎西高校一年前に閉鎖になり、マスコミが避難者のことを伝えることはめっきり減りました。それでも双葉町の二年間を追ったこの映画を、昨年は50回近く上映をすることができました。話題にならなくなってこそ、映画を上映することの意味が増したように思います。上映会を準備してくださった方、そこで出会った皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。
昨年秋には神戸、京都、大阪と三度にわたって関西で上映しました。「もう福島の問題は解決したんだと思っていた。もっと知っていかなくちゃいけない」という高校生に、埼玉に避難している双葉町の中学生が「事故のことは忘れたいし忘れてほしい。それくらい避難生活はつらい」と訴える一幕もありました。
被災者の中には「もう語りたくない」と思う一方で、忘れさせようとする力に抗って、真実を語りたいという人もいます。
そして、その思いを受け止めようとする人たちは確実にいる。だからこそ上映会を今年も続けていきたいと思います。自主上映会をしてくださる方は、気軽にお問い合わせください。
問題はどんどん出てきます。被害者とともにありたいです。何らかの形で、あらたな映像を作って発信していくつもりです。
それでは今年もよろしくお願いします。