八月後半、久しぶりに福島に行った。どこにいっても「分断や対立が悲しい」という声をきく。
24日はI女性会議・会津若松の主催で『原発の町を追われて』の上映会があり、七十人の方が来てくださった。
会津は福島の中では比較的放射線量が低く、そこで避難生活を送る浪江町や大熊町の人たちの話を伺うこともできた。同じ福島とはいえ、同郷の人と会えた時の喜びはひとしおだという。苦しみ、悔しさ、嬉しさはきっと双葉と一緒だなあと思った。
福島での上映は、緊張する。
それでも、上映会の後に何人かの人が声をかけてくれた。
「双葉町は原発でいい思いしてきたじゃないかと思っていたけど、映画の中の『俺たちはずっと前から放射能浴びてきたんだ』という台詞にはっとしたという人。
「会津は比較的線量が低くて安心だけれど、それでも不安を口にするのは勇気がいる。言わないほうがいいのかなと思うこともあったけど、映画に出てくる人たちをみて勇気づけられた」という人もいた。
福島県ひとつとってみても、多様な問題がある。それを、福島だけの問題にしないことが、県外に暮らすわたしたちの課題だと思う。