ダイオキシンと放射能

 六月七日。新所沢で上映会がありました。主催は「所沢・教育と福祉を問い直す会」。雨の中50人近い人が参加してくれました。
 所沢市と言えば20年近く前「日本一の産廃銀座」ダイオキシン汚染で有名になったところ。我が家からは荒川を越えてすぐの場所でした。
 それ以前はゴミを燃やすのは当たり前。しかし関東一帯から出たゴミがこの地域に集中し「煙い」「くさい」というだけでなく、子どもたちの健康状態に異変が起きている・・・そういって市民が立ち上がったのです。
 農作物への被害も大きく、自分の畑で採れたお茶から高濃度のダイオキシンが検出されたことを告発した、荻野さんという有機農業家がいました。周囲の農家からは「野菜が売れなくなる」と叩かれ、自分のお茶も売り上げが半減するのですが「危ないものを隠して売るわけにはいかない」と頑張ったのです。
 全国ではじめて「ダイオキシン・ノー」のデモを行い、住民は健康調査や汚染調査、環境ホルモンという当時は聞きなれなかった学習会をつみかさねた、そんな歴史がある所沢市。今回の上映会でも「市民放射能測定所」をボランティアで始めた「とこらぼ」さんが、「一検体500円で測ります」と活動紹介。市民の意識も高く、周囲から「神経質だね」と言われてもめげずに給食の安全性を訴える若いお母さんの参加もありました。
 「『美味しんぼ』への反応が、同じ福島でかくも違うなんてつらい」という意見もありました。
 子どもの健康を案じることが所沢ではふつうにやれたのに、福島ではなぜタブーなのか。「風評被害ではない。実害だ」という言葉は、20年前の所沢でも発せられていたのですが。ダイオキシンと放射能の違いは何なのか。あらためて考えてしまいました。市民放射能測定室「とこらぼ」のみなさんと。 市民放射能測定室「とこらぼ」のみなさんと。
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